過去26年のデータが示す悲しい事実
J1リーグは第33節を終了し、残り5試合を残して代表ウィークで1週間の中断を挟む。
「まだ5試合ある」「奇跡を信じよう」
――シーズン終盤になると、残留争いをしているチームのサポーターは誰しもそう願いたくなる。
しかし、Jリーグの過去26年のデータは、そんな希望を容赦なく打ち砕く。
1999年から2024年までのJ1リーグを対象に、「残り5試合の時点で最下位だったチーム」と「最終順位」を以下にまとめる。
結果は驚くほど明確だった。
- ボトム3から脱出したチーム:0/26
- 最下位で終えたチーム:19/26(=73%)
- 最下位を脱出したチームの変動順位:わずか1
つまり――
残り5試合で最下位になった時点で、残留は不可能。なおかつそのシーズンを最下位で終える可能性が極めて高い。
仮に最下位を脱出できたとしても順位を1つ上げるのが精一杯。
これが数字が語る「現実」だ。
“奇跡の残留”は起こりえないのか
2017年新潟がJ2に降格したシーズンは、残り5試合を4勝1分で勝点13を獲得。もし残留争いに絡んでいなければ、文句ない結果だったと思う。
しかし実際は、残り5試合時点で新潟の勝点は15、残留圏の15位甲府の勝点は28でその差は13開いていた。
5試合の最大勝点は15。つまり数字上は可能性があるとは言え、新潟が1ポイントでも勝点を落としたり、広島や甲府が残り5試合で1試合でも勝てば勝点では上回ることができないという絶望的な状況であった。
新潟は第30節の磐田戦、後半アディショナルタイムにアダイウトンのゴールを許しドローに終わり、2ポイントを失った。
翌31節からの残り4試合を全勝するも、第32節で広島が神戸に勝利したため勝点で上回ることができなくなり降格が確定した。
2025年の5試合を残した第33節終了時点での順位表を見てみよう。
新潟の勝点は22。残留圏の17位マリノスとの勝点差は「9」。2017年の絶望的な数字と比べるとその差はまだ小さい。
さらに、マリノスも横浜FCも優勝争いを繰り広げる上位陣との試合を3試合残す。
【保存用】
— DAZN『やべっちスタジアム』 (@yabecchi_dazn) October 7, 2025
J1残留争いチームの日程表です📝
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過去26年の歴史の中で、残り5試合で最下位になった時点で、ボトム3を脱した例は一度もない。
しかし、「一度もない」ということは、“最初の例になる可能性”がまだ残っているということでもある。
数字の壁を越えたその瞬間を、誰もが“奇跡”と呼ぶのだろう。
そんな瞬間を私は見てみたい。